〜認知症ケア専門士になりたい〜#3 認知症を持つ人の心理・認知症の始まりと早期介入

今回は認知症を持つ人の心理についてと認知症の始まりと早期介入について理解を深めていけるように勉強していきたいと思います!

 

最初に!

認知症の人が抱える主な心理的問題とは

 

①不快

②不安

③混乱

④被害感

⑤自発性の低下や抑うつ

⑥揺れ動く感情

⑦取り繕う行動

 

上記の7つがあるとされています

 

①不快について

認知症は物忘れが徐々に進行していく病態です

忘れたことを忘れているため、それらを指摘されることはストレスの一つであり、また物事を次から次に忘れてしまうこともストレスの一つとなります

そのため不快な気分を味わいやすい傾向にあります

 

②不安について

自分がいる場所すら分からなくなることがあるため、強烈な不安に襲われることがあります

ここはどこなのか?周りにいる人は誰なのか?

自分はここにいていいのか?今日は何月何日なのか?

疑問だらけになってしまうことが不安に繋がってしまいます

 

③混乱について

認知症の傾向として短期の記憶が忘れやすく、長期的な記憶が残りやすい傾向があります

そのため施設等、環境が変わった際に昔の記憶が色濃く出やすいため、いつもと違う場所にいる、ここは一体どこなのか??となり心理的な混乱を招きます

また時間の流れもわからなくなるため何十年前の記憶と現在の記憶が混ざり、前に一緒に住んでいた家族の食事を作り始めたり、以前勤めていた会社に出勤しようとしたりという行動に繋がります

他には自分の夫を父親と思ったり、こどもを兄弟と思い込んだりといったものもあります

 

④被害感について

以前の記事で話した、物取られ妄想がこれに当てはまります

保管した体験の記憶が失われるため、誰かが取ったや、持っていった等の疑いが生じます

またこれらは家族等の身近な存在に向けられます

そのため関係の悪化に繋がることが多いです

 

⑤自発性の低下や抑うつについて

認知症の初期の段階で今まで出来ていたことが出来なくなることから失敗の経験を積んでしまいショックに陥り、うつ状態になりやすくなります

またさらに失敗が続くことで周囲から呆れられたりすると鬱の状態を抑制するために物事をやらないようにする手段をとります

そのため自発性が低下することに繋がります

普通の人であっても失敗を指摘されたりするのが嫌だってことや、失敗することを恐れたりというのはあることですね!

 

⑥揺れ動く感情について

これもまた以前の記事で紹介したBPSDの症状になります

認知症になってから怒りっぽくなったっていうような症状があります

ここで必要なことはなんでこの人はこんなに怒っているのかというのを推察することにあります

間違いを指摘されたり、行動を抑制されたりするということが刺激となり興奮状態を招き、感情的になりやすい状態となります

 

⑦取り繕う行動について

認知症の人の傾向として記憶の断片をつなぎ合わせてなんとか思い出そうとしています

自分のわからないことを聞かれるとあたかも分かっているように振る舞うことでその場を乗り切ろうとします

これは自分の不利にならないようにするための行動です

 

上記にあるこれらの心理的な状況を理解し、共感してあげることが適切な認知症のケアに繋がります

 

 

次は認知症の始まりと早期介入についてです

 

まずは認知症の始まりについてを説明します

 

アルツハイマー認知症の場合、症状が出現する十数年前から脳の変化が始まるとされています

 

MCI(軽度認知障害)と呼ばれる状態で、初めは加齢による変化と区別がしにくいとされています

 

次に認知症の早期介入について説明します

 

認知症には回復できるものもあります

これについてはまた別の機会に詳しく説明させて頂きます

 

もちろん治癒出来ない認知症もありますが早期に診断することで、早い段階より医療・介護サービスについて本人の意思を反映させることができます

 

また本人や家族が、将来への心構えや具体的な準備等、時間の余裕を確保することができます

 

以上!

今回は認知症を持つ人の心理についてと認知症の始まりと早期介入について勉強させて頂きました!

 

#2までは認知症のことを中心に勉強した内容を記事にさせて頂きましたが、今回は〜認知症ケア専門士になりたい〜という大本のタイトルにある通り、認知症ケアの内容に少し踏み込むことができたかなと思います!

 

余談ではありますが、実際に臨床の場面において認知症を持つ方々とのお話をする場合に、最近の話をするよりも本人の昔の話を聞いてあげる方が楽しそうに話してくれることが多く、その後のコミュニケーションにおいて良好な関係が築けることが多いような気がします!

認知症を進めないためにも今日は何日?といった事を聞いたりしますがそんなのしらん!と怒られることがあります

 

認知症という症状を理解するだけではケアには繋がりにくい部分があるんだなと改めて実感します!

 

次回は認知症になる原因や回復できる認知症についてを勉強していこうと思います!

 

それではまた(^^)