〜認知症ケア専門士になりたい〜#1 認知症の定義と特徴
今回は認知症の定義と特徴についてを勉強していきたいと思います
とその前に!
まず念頭に置いておきたいことは脳についてです
脳は150〜200億個程度の神経細胞の塊であると言われています
この神経細胞が20歳頃より徐々に減っていき80歳頃には10%程度減少します
この事から脳の神経細胞が減っていく事で脳が老化していきます
この脳の老化によって起こることが物忘れが増えたりすることでいわゆる脳の自然な生理的老化による能力低下が生じます
これを認知症と一見思ってしまいそうですが、これは健忘といいます
神経細胞そのものの数は減っていきますが老化していてもこの突起を伸ばす力は維持されます
その突起が伸びる事で神経細胞が増加する部分もあり脳の知的な部分の老化を緩和してくれているとされています
ということは健忘に関しては脳を鍛えることで若干の機能改善が期待できるということです
しかし!
認知症とは身体の病気による知的な働きの低下を指します
認知症の定義についてDSM-5というものがあり、これは米国精神医学会の精神障害診断統計マニュアル5版のことを指します
このDSM-5では、認知症は注意力、遂行能力、学習・記憶、言語、日常生活動作、他人の気持ちや考えの理解などの認知機能のうち、少なくとも1つ以上が以前より低下し、日常生活における自立性が著しく下がった状態とされています
この基準において何が判断できるかというと脳の器質的な障害が含まれていないことが特徴であり、認知機能障害が少なくとも1つとされていることから軽度の段階で診断ができるという利点があります
ここまでで認知症の定義を交えつつ、健忘と認知症の違いを話しましたが
ちょっとわかりにくいですかね…
違いを簡単に言うと
健忘は忘れている事を理解できるということ
例:お昼ご飯は何を食べたかを忘れた
対して認知症は忘れていることを忘れてしまうということ
例:(ご飯は食べたのに)お昼ご飯食べてないんだけど
前者はご飯を食べたことは覚えているが何を食べたかまでは覚えていないということですね
対して後者はご飯は食べているはずなのにご飯を食べていないと主張している状態です
認知症には明確な症状があり
思い出す能力の障害(記憶障害)
日時、状況や周囲の人を見当する能力の障害(見当識障害)
判断力障害など
それぞれの症状が1つだけ出現したり、あるいは複数の症状が同時に出現したりします
これらの症状の事を中核症状といい、生後に発症した身体の疾患が原因で起こる知的な働きの障害で、認知レベルの低下を指します
前述の認知症とはというところと合わせて見ても認知症は病気であるということが分かります!
そして!
中核症状に対して心理的・身体的な要因が作用して行動・心理症状となって現れることがあります
例を挙げると
以前は温厚であった人が急に怒りっぽくなることや非社会的行動を取り始めたり、なんでもかんでも不安がるような素振りが見られたりする様な事です
他には徘徊やうつっぽくなったりという事もあります
これらの症状の事を周辺症状、またはBehavioral and Psychological Symptoms of Dementiaといい頭文字をとって
BPSDといい、意味としては行動・心理症状という意味があります
中核症状、BPSDを理解していくことが認知症に対する理解を深める上で重要になってきます
ただ必ずしも認知症にかかり、中核症状が出現したからといってBPSDが出現するわけではありません
BPSDは身体面・環境面・心理面などが作用しているからだと考えられています
介護する側の方からだと急に物忘れが激しくなったり、今まで温厚だった人が急に怒りっぽくなってどうしようと思うことがあるのではないかと思います
こういった特徴的な症状がある場合には本人の気持ちを理解してあげて、その要因に対応していくことが大切です
そして重要なのが認知症にも種類があり、それぞれの認知症によって異なる特徴があります
認知症の種類についてはまた別記で勉強した内容を説明させて頂こうと思います!
それではまた(^^)